話を聞いてもらえない?相手の人の話に共感してますか?
今回の記事をご覧になった方は、話を聞いてもらえない、子どもが言うことを聞いてくれない、営業成績が上がらない・・・そんなふうに思っている方が多いのではないでしょうか?
一生懸命に話してるのに伝わらないことってあるのよねぇ〜。
それって、何が原因だと思います?
ん〜、話し方が下手なのかなぁ。
話し方が下手だから伝わらない、確かにそういう面もあるかもしれません。
ですが、話し方が例え下手だったとしても、相手が話を聞きたいと思ってくれていれば相手には伝わります。
なぜなら、話を聞きたいと思っている人は、分からないことがあれば質問をしてくるからです。
つまり、話を聞いてもらえない一番の理由は、『相手が話を聞きたい』と思っていないことにあります。
なるほどねぇ。でもさ、そしたらどうすれば良いの?
ポイントは、『共感』にあります。
共感?
共感とは、『他の人の意見に対して、意見の内容だけではなく意見に込められている感情を含めて同意すること』を言います。
例えば、あなたの友人が『会社の上司にキツく叱られて辛い』と話したとしましょう。
このとき、『上司にキツく叱られて友人が辛くなっている』という事実と、『辛くて苦しい思いをしている』という友人の重苦しい気持ちをセットで理解している状態が、共感しているという状態です。
この『共感』が、今回の記事では大切なキーワードになってきます。
共感すると何か良いことあるの?
あります、あります!!いくつか例を挙げてみましょう。
- 自分の要求を聞いてもらいやすくなる(子どもも言うことを聞くようになる)
- 自分のストレスが軽減する
- 人間関係が良くなる
- 自己肯定感があがる(ポジティブになる)
共感するだけで、これだけの効果があがります・・・が、ここで1つ問題があります。
それは、共感すれば良い効果があるとは知っていても、『どうやって共感すればよいか』が分からなければ実行に移せないということです。
でも、安心してください。
今回の記事では、簡単に共感できる具体的な方法をお伝えするからです。
この方法を実際に使い続けた結果、1歳8か月になる長男が言うことを聞くようになり、職場でも周囲の人から『誰とでもうまくやれる』という評価ももらえるようになりました。
今回の記事は、この成功体験を、ぜひあなたにも体験して欲しいと思って書いています。
ぜひ、最後までお付き合いください。
1時間目:共感すると本当に話を聞いてもらえるの?
共感が凄いって話をさっきからしてるけど・・・本当に効果があるの?
分かりました。では、例を挙げて説明しましょう。
事例1:うちの長男あっくん(1歳8か月)が言うことを聞いてくれた話
うちの長男あっくんは、走ることが大好きで、先日も『よーい、ドン!』の私の掛け声で家の中を走り回っていました。
そして、ゴールである私の胸元までたどり着き、一旦走り終えると『もう一回』と言ってスタート地点まで戻っていきます。
これを何度か繰り返しているとき、あっくんのオムツがパンパンであることに気づきました。
そこで私は、『あっくん、オムツ交換しよう』と声をかけましたが、あっくんの答えは『(それは)ない、もう一回(よーい、ドン!して)』というものでした。
さて、こんな時、あなたならどうしますか?
それは、オムツを交換するために、あっくんを捕まえに行くわ。
以前なら、私もそうしていました。でも、私はここで共感を使ったんです。
どういうこと?
以前の私は、あっくんを捕まえて、ギャーギャー騒いでいるあっくんのオムツをイライラしながら替えていました。
子育てを経験している方ならご存知だと思いますが、こういう時のオムツの取り替えはとても大変です。
ですが、共感を使うとそんなオムツの交換も簡単にできることが分かりました。
共感を使うと言っても、「あっくんは、『よーい、ドン!』したいんだよねぇ。じゃあ、オムツを交換したらもう一回ね」という言葉をあっくんに伝えるだけです。
このセリフを2〜3回伝えると、あっくんは自分から『オムツを交換して』というような態度で私に寄ってきます。
あとは素直にオムツを交換したあっくんを褒めて、オムツの交換が終わった後に約束どおり『よーい、ドン!』をするだけです。
『あっくんは、『よーい、ドン!』したいんだよねぇ。』の部分が共感ね。
そうですね。あなたの気持ちは、分かってるよ!って先に伝えてあげたから、言うことを聞いてくれるんです。
事例2:腹を立てている上司に話を聞いてもらった話
これは少し前の話です。
私の部署の部下Aさんのもとに別の部署の上司から内線電話が1本かかってきました。
どうやら、部下はその上司に強く叱られていたらしく、電話が終わるとAさんはうつむいて泣きそうな顔をしていました。
Aさんから話を聞くと『私の部署から依頼した報告書の提出期限が短すぎて、対応できない』と強く言われたとのこと。
早速、私がその上司のもとに事情を聞きに行きました。
そこで上司に言われたのは、『作業時間が短すぎる。他にも仕事はあるんだから、きちんと報告させようと思うならもう少し余裕をもって依頼しろ』という内容でした。
そこで私は、「確かに他に仕事もあることを考えると、作業時間としては短いですし怒りますよね。言っていただかないと分かりませんでした。ご指摘ありがとうございます。次からは気をつけます。ですが、今回はこれでお願いできないでしょうか」というような内容で返事をしたんです。
すると、その上司から最終的に「しゃあないなぁ。」という言葉が返ってきて、仕事をやってもらえることになりました。
『作業時間が短い』という事実と『怒り』という感情をもつ上司に共感したのね。
そうですね。そして、それが上司の『話を聞こう』という姿勢に結びついたんです。
共感すれば話を聞いてもらえる
長男あっくんの事例も、会社の上司の話も、私の言いたいことよりも先に『相手がどういう気持ちでいるのか』を考え、共感することから始めています。
どうして共感することから始めるのでしょうか。
それは、共感から入ると、『この人は私の話を聞いてくれる人だ』『この人は私の気持ちを分かってくれる人だ』という印象を相手に与えることができるからです。
自分のことを分かってくれる人の話は・・・
聞こうって思えるわよね!!
・・・
大切なことは、いきなり自分の話したいことから話し始めないということです。
お子さんを叱る時、最初に『ダメ!』から伝えていませんか?
お客様からクレームを言われた時、いきなり理由から説明していませんか?
それでは、相手は聞く耳をもってくれません。
本当に伝えたいなら、①相手の気持ちを共感してから、②自分の伝えたいことを話すことが大切です。
共感すれば、必ず相手は聞く耳をもってくれます。
2時間目:今日からできる『共感力』を発揮する2つの方法
共感すれば、話を聞いてもらえるということは今までの説明で理解いただけたと思います。
ここから先は、『共感すれば良いことは分かったけれど、具体的な方法を知りたい』という方のために、相手に共感していることを伝えられる具体的な方法『オーム返し』と『相手の人の話から聞く』についてご紹介します。
共感を伝える方法その1:オーム返し
共感を伝える具体的な方法の1つ目は、オーム返しです。
オーム返しとは、相手が言った言葉をそのまま相手に返す方法です。
例えば、『今日は暑いですね』と相手の人が話しかけてきたら、『暑いですね』と返すといった具合です。
相手の人が言っていることをそのまま同じ言葉で伝え返すことをしますので、『私はあなたと同じように思っています』という肯定のメッセージとして、相手の人には受け取られます。
つまり、相手の人に共感していると伝えることができる、これがオーム返しです。
『やまびこ』みたいね。ヤッホー!
・・・
ほら、そこは、『ヤッホー』でしょ!
ヤ、ヤッホ〜
共感を伝える方法その2:相手の人の話から聞く
共感を伝える方法の2つ目は、相手の人の話から聞くです。
相手の人の話を聞いていると、自分の意見を言いたくなることがあります。
ですが、その気持ちを一度脇に置いておき、相手の人が言っていることに興味をもって聞くように努力するというのがこの方法です。
この方法を使うことで、相手の人に『私はあなたの話をもっと聞きたい』というメッセージを間接的に伝えることができます。
相手の人が話している内容は、相手の人が『話をしたいと思っている内容』です。
相手の人が話したいと思っていることに対して、『私はもっと聞きたい』というメッセージを送れば、悪い気分になることはありません。
むしろ話はますます弾むことになります。
話が弾むのは、相手の人が話したいという気持ちに共感しているから起こることなんです。
それってどういうこと?
それはですね・・・ペラペラ・・・
あ、こういうことか。
3時間目:売れる営業マンと売れない営業マン
ここまで、共感力を発揮する2つの方法『オーム返し』と『相手の人の話から聞く』についてお届けしてきました。
では、実際にこの2つの方法にどれほどの効果があるのか、簡単な体験してみましょう。
あなたは、R社という会社の社長をしていたとしましょう。
R社では、今使っているコピー機が古くなり、ミスプリントも増えてきたことから、あなたは買い替えを考えていました。
そんな時、C社というコピー機を取り扱う事業者が、『新しいコピー機』の売り込みにやってきたので話を聞くことしました。
あなたとC社の営業マンとの間にかわされたやり取りはこんな感じでした。
ケース1:売れない営業マンXさんの場合
あなた「ちょうど新しいコピー機を欲しいと思ってたんだよ」
Xさん「実は、わが社で最新型のコピー機が出たばかりなんです。印刷速度が従来品の2倍もありますので、この最新型の商品がオススメです。」
あなた「印刷のスピードは早くなくても良いんだが・・・」
Xさん「印刷速度は遅いより早いほうが良いですよね。印刷スピードが2倍になれば、生産性は確実に上がります。」
さて、あなたはC社の最新型のコピー機を買いますか?
絶対買わないわ!こっちの話を聞け〜って言いたくなるもの。
そうですね。押し付けられてるような感じがしますし、良い印象はないですよね。
では、今度は、売れる営業マンYさんの対応を見てみましょう。
ケース2: 売れる営業マンYさんの場合
あなた「ちょうど新しいコピー機を欲しいと思ってたんだよ」
Yさん「新しいコピー機ですね。ちなみに、どういったコピー機をお探しですか」
あなた「印刷コストが下げられるようなものが良いな」
Yさん「印刷コストを下げるということでしたら、これならいかがでしょう。1つ前の型にはなりますが、今のコピー機よりも1枚あたりの印刷コストを3分の2まで抑えることができます。ただ、コストを下げられる反面、印刷速度は今のものと変わりません。」
あなた「印刷の頻度は多くないから、それでも十分だよ」
さて、先ほどと同じ質問をします。
あなたはC社のコピー機を買いますか?
買う買う!Yさん、めっちゃ良い人じゃん!
Yさんは、最初に最新型のコピー機を売ろうするのではなく、「あなたがどんな商品を必要としているのか」という相手の人の話から聞くことを実行しています。
そして、あなたが「新しいコピー機」と言えば「新しいコピー機」、「印刷コスト」と言えば「印刷コスト」と大切なキーワードをしっかりオーム返ししています。
つまり、Yさんは共感力を発揮したということになります。
一方でXさんは、自社の最新コピー機のPRばかりが先行してしまい、あなたの話を聞いてくれませんでした。
仮にXさんが、あなたの話を聞いていたとしても、それがあなたに伝わっていなければ、あなたから見たXさんは『話が聞けない人』ということになります。
共感『する』と『しない』では、これほどの差があるということです。
まとめ
今回は『共感力』をテーマにお伝えしてきました。
最後に、まとめていきます。
共感とは、他の人の意見に対して、意見の内容だけではなく意見に込められている感情を含めて同意することを言います。
共感すると、『この人は私の話を聞いてくれる人だ』『この人は私の気持ちを分かってくれる人だ』という好印象を相手の人に与えることができます。
共感する方法として、『オーム返し』と『相手の人の話から聞く』という2つの方法をご紹介しました。
本日の内容は以上となります。
お付き合いいただき、ありがとうございます。
今日のたかさん