誰とでも良い関係をつくれる!?安心感を与えるコミュニケーションのとり方【話し方編】
今回の記事は、いつも相手を怒らせてしまう、自分の要求が全く通らない、そんな悩みを抱えている方に向けて書いています。
今回は安心感を与えるコミュニケーションの『話し方編』ね!
そうですね。
でも、話に入る前に1つ押さえてもらいたいことがあるんです。
何?もったいぶらないで、早く教えてよ。
『押さえてもらいたいこと』というのは、話し方を学んだとしてもちゃんと話を聴けていなければ良いコミュニケーションはとれないということです。
1つ実験をしてみましょう。
私とあなたで日常会話をしている場面を想像してみてください。
私が自分の思っていることを延々と話し続け、それに対してあなたは一言も話す機会が無かったとします。
さて、私の話を聞いているとき、あなたはどんな気持ちになりますか?
なんかねぇ・・・イライラしてくる!
そ、そうですよね!(ゆうさんと話すときは気をつけよう・・・。)
まるで講演会や座学の研修を受けているような片方の人が一方向的に話すコミュニケーションは、聞いている側からするととても退屈でストレスが溜まりやすいものです。
この場合、相手を退屈させないためには話を聞いている相手がもっと知りたい、もっと話を聞きたいと思う必要があります。
ですが、通常のコミュニケーションの中でそのような場面になることは難しいと思いますし、何より一方的なコミュニケーションは良いコミュニケーションとは言えません。
さて、実験の続きをしましょう。今度は立場を入れ替えて考えてみます。
今度は、あなたが話す側です。
あなたが『どうしても他の人に話したくてたまらないこと』を延々と話している様子を思い浮かべてください。
あっ、それいい感じ!ストレス発散には最高ね!
そ、そうですよね。
話をするということは、『心に留めていた気持ちを表にだす』ということです。
つまり、話をするということは、それだけ『心に溜め込んでいた』『我慢していた』気持ちを吐き出していることになりますので、ストレス発散には効果的なんです。
これを心理学の世界ではカタルシス効果(魂の浄化)といいます。
ここまで話で片方の人が一方的に話しているときは、話をしている側は気持ちよくても、話を聞いている側はストレスに感じてしまうことがあるということを理解いただけたと思います。
つまり、良いコミュニケーションを取りたいと思うなら、どうやら相手の話もちゃんと聞く必要があるだろうということを感じていただけたのではないでしょうか。
そして、相手の話に耳を傾けるときにも、話をする人が話をしやすくなる『話のきき方』というものがあります。
具体的には、相手の話に共感したり、話したことに対して共感したりして、相手を尊重しながら『話を聴く』という方法です。
この話の聴き方については、前回の記事でお伝えしています。下にリンクを貼っておきますので、まだご覧になっていない方はぜひ一度目を通してみてください。
さて、良いコミュニケーションをとるためには、話を聴く姿勢が大切だということはお分かりいただけたと思います。
そして、『話を聴ける』にもう一つ、武器を加えることで更にコミュニケーションのレベルを上げることができます。
それが、『話し方』っていうことね!
そうですね。
そして、その話し方のポイントとなるのが『相手を尊重する』ということです。
相手を尊重する?
・・・あれ?話を聴くときの姿勢と同じ感じがするわね?
ゆうさん、良いところに気づきましたね!
ここまでの話の流れから考えると、話を聴くことが大切で話し方はあまり大切でないような印象を受けたかもしれません。
ですが、コミュニケーションは言葉のやり取りがあって初めて成り立つものです。
そのため、良いコミュニケーションをとるためには、話の『聴き方』だけでなく『話し方』も大切な要素になってきます。
例えば、『話はしっかり聴ける。けれど、話す時には相手を否定する。』みたいなコミュニケーションでは、良い関係を築くことができません。
『話はしっかり聴ける、話す時も相手を肯定する』のようなコミュニケーションが理想的です。
そして、相手を肯定する話し方の土台となるものが『相手を尊重する』という姿勢なんです。
良いコミュニケーションをとるためには、話を聴くときも、話をするときも相手を理解する、相手を尊重するという姿勢を守ることが大切だということです。
そして、そんな『話し方』をお伝えする今回のコンテンツはこちらです。
これが実践できれば、確実に人間関係は良くなりますし、良いコミュニケーションがとれるようになります。
そして、この話し方を身につけると、話を聞いている相手が『自分を受け入れてくれる』という感覚をもつようになりますので、『自分に対する非難』も減るというメリットもあります。
何か、良いことばかりね!
そうですね。それだけ話し方が大切だってことなんです。
さあ、早速内容を見ていきましょう!
1時間目:自分のお願いごとをストレートに伝えると失敗する!?
良いコミュニケーションのとる方法なのに、なぜ『お願いごと』の話になるのか疑問に思った方もいるのではないでしょうか。
そうね。話し方のコツを教えてくれるのかと思ったら、『お願いの仕方』から入るんだもん。
これには、ちゃんと理由があるんです。
先に答えを言ってしまいましょう。
実は、お願いごとというのは『とてもレベルの高いコミュニケーションだから』なんです。
お願いごとはレベルの高いコミュニケーション!?
お願いをするという行為は、自分の言うとおりに相手に動いて動いてもらいたいと伝える行為です。そのため、お願いごとをすると利害関係が生じやすくなります。
利害関係といういう言葉をそのまま使うなら、自分に利があり、相手に害があるのがお願いごとというわけです。
確かに、たかさんから『お願い』って言われると、『え〜っ!嫌だな』って思うことあるわ。
・・・そ、それだけ利害関係を生まない世間話よりも、『お願いごと』の伝え方は難しいってことです。
そうね。相手に気を遣うものね。
お願いごとというのは、自分の欲しいものを手に入れるために相手に負担をかけるコミュニケーションです。
もっと分かりやすく言うならば、相手を怒らせたり、不信感に繋がってしまう可能性のあるコミュニケーションがお願いごとということです。
つまり、お願いごとを相手に素直に受け入れてもらえるような話の仕方ができれば、大抵のコミュニケーションは上手にとれるということになります。
良いコミュニケーションのとり方で、『お願いごと』を取り上げる理由・・・お分かりただけましたか?
つまり、『大は小を兼ねる』っていうことよね!
お願いごとというのは、それだけレベルの高いコミュニケーションだと言うことです。
お願いごとをストレートに伝えてはいけない!?
では、早速お願いごとをしてみましょう。
と言っても、自分のお願いごとをそのままストレートに伝えてはいけません。
えっ!?意味がよく分からないんだけど・・・どういうこと?
そうですねぇ、一言でまとめるなら・・・
ストレートなお願いには相手を尊重する気持ちが入っていないからでしょうか。
お願いというのは、自分のしてほしいことを相手に依頼するという行為です。
例えば『買い物行ってきて』『ゴミを出しておいて』とうように、ストレートにお願いを伝えてしまうと、それを伝えられた相手の方は『一方的に要求を突きつけられた』と感じてしまいます。
そうなってしまったら、自分のお願いを聞いてもらえる確率は低くなってしまいます。
私がゆうさんに『ちょっと買い物してきて』ってお願いしたとしたら、ゆうさんは・・・
もちろん、『自分で行けばいいじゃない?』って言って、断るわよ!
(予想はしてたけど、言い終わる前に断られてしまった。)
このように自分のお願いごとをそのままストレートに伝えてしまうと、『相手を尊重する』という配慮がなされていないために、お願いを聞いてもらえないということが出てきます。
本来は聞いてもらえたはずのお願いも、話し方1つで断られてしまうというのはとても勿体ないことです。
2時間目:2つのお願いの型
では、どうやったらお願いを聞いてもらいやすくなるのでしょうか。
ここまでの話から考えると、『相手を尊重する』ってことじゃないかしら?
そのとおりです。
相手を尊重するという立場からお願いをするということが大切なんです。
この『相手を尊重する』ということを踏まえてお願いをするということができれば、お願いを聞いてもらえる確率は上がります。
お願いをするときは、相手にメリット・デメリットが存在するかどうかで型が異なります。
相手にメリット・デメリットが無い場合
相手にメリット・デメリットがなく、自分の都合でお願いをするときに使う場合はどのように話したら良いのでしょうか。
この場合の話し方の型は『①感情+②理由の説明+③お願いする内容+④効果』が有効です。
例えば、買い物に行って欲しいというお願いをする場合は、こんな感じになります。
すみません・・・本当は買い物に行くつもりだったけれど(①)、仕事が終わるのが遅くなりそうでスーパーの閉店時間までにお店に寄れそうにありません。(②)だから、私の代わりに買い物に行ってもらえないでしょうか。(③)冷蔵庫には何もないし、夕飯も準備できないので買い物に行ってくれると助かります(④)
いかがでしょうか。
単に『買い物行ってきて』と言われるのと全然違うわね!
そうですね。ちゃんと相手の立場を考えてお願いをしていますので、ストレートにお願いを伝えるのとは印象が全く違ってきますよね。
この型には、『本来は私がやるべきことなのに、あなたにお願いしてしまって申し訳ない』というような相手のことを思った言葉が含まれています。
ちなみに、この型はあくまでも基本形ですので、例えば④の効果の部分が無いこともあります。
相手にメリット・デメリットがある場合
相手にメリット・デメリットがある場合は、そうでない場合と比較してお願いごとを聞いてもらえる確率が高くなります。
人は誰でも自分が得したい、自分は損をしたくないという気持ちを持っているからです。
つまり、相手にメリット・デメリットがあるときは、それを最大限に利用して話をします。
具体的には、相手のメリット・デメリットで伝えていくということをしていきます。
例えば、私が学校の先生で、どうしても生徒に覚えてもらいたいことがあったとしましょう。
さて、この場合、私は生徒に何と伝えたら良いのでしょうか?
う〜ん。。私なら、『ここは重要なところだから覚えてね!』って言うかなぁ?
もう少し踏み込んで考えてみてください・・・生徒が『覚えたい』と思うときってどんなときでしょうか?
あっ!先生に『テストに出るよ』って言われたときだ!
いいですね!テストに出るところを覚えればテストで良い点数がとることができる、それは生徒にとって大きなメリットですね!
学生であれば、誰しもテストでいい点を取りたいと思うものです。
ですので、私ならその生徒の気持ちを上手に使って『ここはテストに出すから必ず覚えておいて』と伝えます。
これだけで生徒は必死に覚えようとしてくれます。
更に、この伝え方には大きなメリットがあります。それは、お願いをしているのに自分の好感度が上がってしまうということです。
例えば今の事例も、私は生徒に『覚えてほしい』とお願いをしただけですが、生徒たちから見れば、『先生はテストに出るところを教えてくれた優しい人』に映ります。
お願いも聞いてもらえて好感度も上がってしまう、これが『相手のメリット・デメリットで伝えていく』という話し方です。
- 相手にメリット・デメリットがないときは、『感情+理由の説明+お願いする内容+効果』で話す。
- 相手にメリット・デメリットがあるときは、『相手のメリット・デメリット』で話す。
まとめ
今回は2つのお願いの型をご紹介しましたが、いかがでしたか?
ただ、今回お伝えした話し方の型というのは、良いコミュニケーションを取るための手段でしかありません。
良いコミュニケーションをとるためには、手段よりも私もOK、あなたもOKという雰囲気をつくろうとする気持ちがとても大切です。
つまり、『話を聴く時は、相手や相手の関心事に関心をもち、教えてくださいという姿勢で話を聴くということ、話をするときは、相手の気持ちを尊重するという姿勢で、伝える言葉を選んで話しをするということ』ができるかどうかということです。
そして、これができれば誰とでも良いコミュニケーションは取れるようになります。
話を聴くときも、話をするときも
相手がいることを意識すること
それが良いコミュニケーションをとる秘訣だと私は思います。
おまけ
話し方が大切なことは分かったケド・・・
どうしました?
相手のメリット・デメリットで伝えるって、意外と難しいのよね。
そうですね。では、1つ良書を紹介しましょう。
コピーライターの佐々木圭一さんが書かれた『伝え方が9割』という本です。
この本では、『相手のメリット・デメリットで伝える』ということを、3ステップに分けて分かりやすく書いてくれています。
- ステップ1:自分の頭の中をそのままコトバにしない(思ったままをストレートに言わない)
- ステップ2:相手の頭の中を想像する(自分のお願いからいったん離れて相手の好きなこと、嫌いなこと、性格を想像する)
- ステップ3:相手のメリットと一致するお願いをつくる
みかんを食べると風邪をひかなくなるよ
具体的に、この本では『相手にみかんを食べてもらいたい』という例を使って、この3ステップを解説しています。
具体的に見ていきましょう。
ステップ1:『相手にみかんを食べてもらいたい』と思う。けれど、そのままコトバにはしない。
ステップ2:自分のお願いから離れて相手の頭の中を想像してみる。周りが風邪をひきだしているから『相手は風邪をひきたくない』と考えていることが分かる。
ステップ3:ステップ1とステップ2が合致するお願いごとを考える。すると『みかんを食べると風邪をひかなくなるよ』となる。これを伝える。
ゆうさん、どうでしょうか?
これなら3ステップに分かれているし、考えやすいわね!
この本には、他にも強い言葉をつくる8つの技術として、サプライズ法やギャップ法、赤裸々法などが紹介されています。
ちなみに、この本はシリーズになっていて①と②がありますが、オススメは『伝え方が9割②』です。
②は①の内容を包括した内容となっていますので、②を読めば①の内容を理解することができるからです。
興味のある方は、ぜひ手元においてみてください。
長文を読んで頂き、ありがとうございました。