【お悩み相談】うちの子、受験生なのにやる気がなくて困っています。(中学・高校受験向け)
『あなた受験生でしょ!どうしてそんなにやる気がないの?』
このセリフを子どもに何回言ったか分からない・・・。 今日の記事を読んでくださっている方は、そんな方が多いのではないでしょうか。
私も受験生のとき、お父さんから『勉強しろ』って言われてたなぁ。
お父さんから勉強しろって言われて、ゆうさんはどうしてました?
『今やろうと思ってたのに、やる気なくした〜』って言い返してた(笑
受験生なのに勉強しない、やる気を全く感じない、そんな我が子を見ていると、『このままでは駄目だ』『何とか机に向かわせたい』という気持ちになってきます。
そもそも『勉強しなさい』という言葉は、そんな親心から出ているセリフですよね。
ところが、肝心のお子さんはというと、そんな親の気持ちを知ってか知らずか机に向かう気配すらありません・・・そうなるとイライラしたり、時には嫌気がさしてしまうこともあります。
そして、『どうしてうちの子は勉強しないんだろう?』って思ってしまいます。でも、どうしてお子さんは勉強しないのでしょうか?
やっぱり、勉強が嫌いだからじゃないかしら?
確かに、勉強が嫌いだから勉強しないというお子さんはいます。ですが、必ずしも勉強が嫌いだから勉強しないというわけでは無いんです。
例えば、テスト前日の一夜漬けです。
普段は勉強嫌いで机にすら向かわないお子さんが、テスト直前になって慌てて勉強し始めるんです。
仮に、勉強が嫌いだから勉強しないのだとすると、テスト前になって勉強し始めるお子さんがいることの説明がつかなくなってしまいます。
なるほどね。じゃあ、何で勉強しないのかしら?
結論を言ってしまえば、勉強するお子さんと勉強しないお子さんの違いは、勉強に対するモチベーションが違うからです。
勉強しないお子さんは、そもそも勉強に対するモチベーションが低いから勉強しません。ですが、お子さんの中には『テスト勉強をしないといけない』という気持ちはあるんです。
だから、テスト直前になると『そろそろ本当に勉強しないとヤバい』と思い、モチベーションに火がついて勉強をし始めるんです。これが一夜漬けです。
仕事でも育児でも『面倒くさい』とか『やる気ない』と思っているときは、ついついサボってしまったり、手を抜いてしまうことがあります。
ですが、『やるゾ〜!』と自分決めたときは、積極的に動くことができますよね。
つまり、お子さんに勉強させようと思ったら、お子さんの勉強に対するモチベーションを上げる必要があるということです。
じゃあ、勉強のモチベーションを上げられれば良いってことよね!
そうですね!モチベーションは上がればお子さんは自然と勉強するようになりますね。
ゲームが好きなお子さんは、『ゲームを止めなさい』と親に叱られても、少しでも長い時間ゲームを続けようとします。
ゲームに対するモチベーションが高いからです。
それと同じで、勉強したいという状態にお子さんがなれば、そのお子さんは自然と勉強するようになります。
でもさ、言いたいことは分かるんだけど・・・それって難しくない?
難しいですか・・・。
ひょっとして、ゆうさんはお子さんの勉強嫌いを何とかしたいと思っていませんか?
そりゃそうよ。だって、勉強が嫌いなのにモチベーションなんて上がるわけないじゃない。
確かにそういう一面もあります。ですが、安心してください。勉強嫌いは無理に直そうとしなくて良いんです。
勉強は嫌いなのにモチベーションを上げることなんて、本当にできるのかと疑問に思った方もいるかもしれません。
ですが、先程の一夜漬けの例のように、勉強が嫌いなお子さんも『勉強に対するモチベーションを上げる』ことができれば、自然に勉強するようになるんです。
つまり、勉強は嫌いなままでも全く問題ないということになるんです。
例えば、ロールプレイングゲームの例で説明しましょう。
ゲームの途中、敵が強くなって同じ場所でひたすらレベル上げをしている場面や、ゲーム後半のひたすら長いダンジョンの移動をしている場面を思い出してみてください。
『早く終わらないかな』とか『面倒くさい』って思うわね。
『面倒くさい』っていうことは、できるなら『やりたくない』ってことですよね。
そうね。ストレスだし、できることなら『すっ飛ばしたい』わ。
そ、そうですよね。ここで大切なのは、『面倒くさい』と思いながらもゲームは続けているという点です。
レベル上げが面倒くさい、マップの移動が面倒くさい、そう思いながらもゲームを続けているということは、嫌なことでも続ける方法があるということになります。
そして、その嫌なことでも続けるために必要な方法こそがモチベーションを上げることなんです。
今回は、そのモチベーションを上げるためにどうしたら良いかを次のコンテンツでお伝えしていきます。
まとめると、モチベーションを上げるためには動機づけが必要ってことね!
ええっ!?ゆうさん、いきなりまとめに入らないでください!
いいじゃない!どうやって動機づけをするのかは最後まで読まないと分かんないんだし!
(ひょっとして、最後まで読ませるように動機づけしてる?)
そ、そんなわけで、ぜひ最後までお付き合いください。
1時間目:動機づけを理解しよう
モチベーションを上げるためには動機が必要です。
動機とは、人が心を決めたり、行動を起こしたりする直接の心理的原因のことです。
『お腹空いたと思うから、ご飯を食べる』みたいな話よね。
そうですね。その例だと、『お腹が空いたから、それを解消したいと思うこと』が『食べる』動機になります。
動機がなければ人は動きません。お子さんが勉強しないのは、お子さんが『勉強したい』と思っていないからです。
逆を言えば、お子さんが勉強したいと思うように動機づけができると、お子さんは勉強するようになるということになります。
では、具体的にどうやって動機づけをしていくのでしょうか?
動機づけする方法は2つあります。1つは外発的動機づけ、もう1つは内発的動機づけと言われるものです。
外発的動機づけとは?
外発的動機づけとは、人から承認や賞罰など自分の外からの刺激によって動機づけることを言います。
例えば、お子さんと『テストでいい点数をとったら、ゲームを買ってあげよう』とか『門限を破ったら家に入れないからね』というような約束がこれにあたります。
早い話が『物で釣る』みたいな話でしょ!
そ、そうですね。(スパッと切られた・・・。)
外発的動機づけは、目標達成のために『強いきっかけ』や『やる気』を与えてくれるというメリットがあります。
テストでいい点を取ったらゲームを買ってあげると約束すると、お子さんは『自分の欲しい物が手に入る』と思います。
同じように門限を破ったら家に入れないと約束をすると、お子さんは『門限を破ったら嫌なことが起こる』と認識します。
つまり、お子さんの好きなことや嫌いなことを利用しての動機づけになるため、その効果は強いものになります。
ですが、一方で目標達成のためには手段を選ばなくなったり、目標を達成してしまうとそれ以上の努力をしなくなるというデメリットもあります。
例えば、本当は門限を過ぎて帰ってきたにもかかわらず『門限を破っていない』とウソをついてみたり、ゲームを買ってもらった後は全く勉強しなくなるというようなことが起こります。
外発的動機づけって『熱しやすく冷めやすい』って表現がピッタリね。
他にも報酬に魅力がなくなると、動機づけが弱くなるというデメリットもあります。
これが外発的動機づけと言われるものです。
内発的動機づけとは?
外発的動機づけとは反対に自分の好奇心や興味など、自分自身が自分を動機づけることを内発的動機づけと言います。
例えば、『ゲームが好きだからゲームをする』とか『野球が好きだから野球部に入る』のように、損得ではなく自分自身から湧き上がる気持ちから行動に移すというものがこれにあたります。
好きな音楽を聴いたり、好きな洋服を買うのもそうよね!
そうですね。好きだからやる、やりたいからやる、それが内発的動機づけです。
内発的動機づけは、自分の探究心や好奇心からスタートすることが多いため、損得感情に左右されない分、持続力が強いというメリットがあります。
サッカーが大好きで、毎日サッカーのことばかり考えたり調べたりしていたら、いつの間にかサッカー評論家になっていた・・・そんなことが起こせるのも内発的動機づけの力です。
そんな無敵の動機づけに思える内発的動機づけにもデメリットはあります。
それは、自分では意図的に内発的動機づけを持つことができないということです。
1つ実験をしてみましょう。
あなたが、興味がないものを1つだけ想像してみてください。
私の場合は、ダントツでたかさんの読んでる本ね・・・あれはツマラナイわ。
では、想像できたら次のステップに移ります。
想像したものに対して今から興味をもってください。
ええっ!!そんなの無理に決まってるじゃない!
このように、自分の興味関心は自分でつくろと思ってつくれるものではありません。内発的動機づけは意図的にもつことはできないというわけです。
また、内発的動機づけには1つの特徴があります。
それは、外発的動機づけによって影響を受けることがあるということです。
例えば、ゲームが好きなお子さんがゲームをやっていた(内発的動機づけ)としても、親から『ゲームを止めなさい』と言われる(外発的動機づけ)と子どもはゲームを止めざるをえなくなります。
このように内発的動機づけにより始まったことでも、外発的動機づけによって行動を続けられなくなることがあります。
この例とは逆に、外発的動機づけが内発的動機づけを強めるパターンもあります。
例えば『テストで100点を取りたい』と思って勉強している(内発的動機づけ)ところに、親から『100点を取ったら好きなもの買ってやるぞ』と言われる(外発的動機づけ)と、ますます勉強に身が入ります。
この場合、内発的動機づけを外発的動機づけが強めていることが分かります。
これが内発的動機づけと言われるものです。
2時間目:内発的動機づけを起こすキッカケを沢山つくろう
さきほど、内発的動機づけは自分で意図的にもつことができないものだとお伝えしました。
ですが、内発的動機づけは起こすことができるんです。
えっ!?内発的動機づけって意図的に持てないんでしょ?どうやって起こすのよ?
外発的動機づけに影響を受けるという性質を利用するんです。
例えば、普段あまり勉強しないお子さんが、たまたまテストで良い点を取ってきた時に、母親からこんなふうに言われたらどんな気持ちになるでしょうか?
『あなたのテストの点数のことをお父さんに話したら、お父さんがすごく嬉しそうな顔をしてね、「そうか!そうか!」って言いながら、あなたのことすごく褒めてたよ。やればできる奴だって、俺はずっと信じてたんだって言ってた。あなた、お父さんに凄く期待されてるみたいよ。』
少しオーバーかもしれませんが、こんな話をされるとお子さんの勉強に対するモチベーションは上がり、次のテストも勉強を頑張っていい点数を取る確率は高くなると考えられます。
そして、いい点数を取るという成功体験を積むと、お子さんは『勉強ができると楽しい』と思うようになっていき、次第に周りから言われなくても自分から勉強するようになります。
このように『褒める』というお子さんの外からの刺激(外発的動機づけ)が、お子さんが自分から勉強したいという気持ち(内発的動機づけ)を起こすことができるというわけです。
そんなにスムーズに行くなら、誰も苦労しないわよ。
ゆうさん、いいところに気づきましたね。
実は、そこが内発的動機づけの難しいところなんです。
お子さんによって『心に響く言葉』は違います。言葉の受けとめ方も受けとめの深さも十人十色です。そのため、事例のような言葉掛けをしても効果が無いこともあると思います。
つまり、ここでお伝えしたいのは、『事例のような言葉をかければ、お子さんは勉強するようになります』ということではありません。
事例のようにお子さん変わるキッカケ(外発的動機づけ)を沢山つくろうということです。
お子さんによって受けとめ方は違いますし、何がキッカケで変わるかはお子さん自身も分かりません。
つまり、色々な刺激をお子さんに与えて、内発的動機づけが誘発してくれるのを待つしか無いんです。これが結構大変なんです。
3時間目: 内的動機づけに結びつく外的動機づけ
『勉強したい』という内発的動機づけをするために、そのキッカケづくりとして外からの刺激(外発的動機づけ)が大切だという話をしました。
内容は分かったんだけどさぁ・・・内発的動機づけに結びつく刺激を探すのは大変そうよねぇ。
分かりました。それでは、いくつかヒントを紹介しましょう。
小学生以下のお子さん場合
小さいなお子さんの場合は、楽しみながら勉強できる学習教材を使ってみたり、遊びなどの体験の中から学びにつなげるという方法もあります。
つまり、『楽しい→もっと知りたい→勉強しよう』という好奇心を利用するという方法です。
ただ、通信の学習教材は、お子さんの年齢や発達に合わせて楽しみながら学習できるものがあり、楽しみながら、遊びながら学習できるというメリットがあります。
でも、種類がいっぱいあるからどれを選んで良いのか迷っちゃうわね。
この辺りの情報については、私のブログよりも、ちいく村さんがとても分かりやすく丁寧に解説してくれています。
興味の有る方は、ぜひ一度見てみてください。
小学校高学年〜中学生のお子さんの場合
小学校も高学年くらいになってくると、将来の夢について考える機会が増えます。
そのため、将来どんな仕事につきたいか、将来どんな大人になりたいのか、目標が明確になっているようなら目標と勉強を結びつけるという方法も有効です。
お医者さんになりたいなら、大学の医学部に入る必要があるみたいな感じね。
『勉強しないとなれないよ』とか『勉強したほうが活躍できるよ』って、勉強の必要性を伝えてあげる感じですね。
でもさ、お医者さんとか弁護士さんとか資格が必要な仕事ならそれも分かるんだけど、資格のいらない仕事の場合はどうするの?
その時は、お子さんの夢を大きく広げてあげると良いと思います。
どんな職業も、夢が大きくなれば知識や技能で求められるレベルは高くなります。
例えば、日本のプロ野球であればそれほど重要視されない英語力も、大リーガーになれば必要です。
競争の激しい大リーグの世界で成功するには、英語で手間取っていては他の選手にあっという間に抜かれてしまいます。
だから『今やっている英語の勉強は野球選手として成功するために大切なものなんだ』と伝えてあげることで、英語学習のキッカケをつくれると言った具合です。
小学校中学年くらいのお子さん〜大人の場合
過去の記事でも紹介しました『相手のメリット・デメリットで伝える』という方法で、動機づけすることもできます。
この方法は、自分がして欲しいことと、相手にしてほしいことの共通点を見つけて、相手にメリット・デメリットがあるように伝えていくという話し方の型になります。
この記事のおまけでお伝えした『相手のメリット・デメリットで伝えるための3ステップ』はオススメなので、まだ読んでいない方がいましたら、ぜひご一読ください。
まとめ
今回は、勉強のやる気がないお子さんが、どうすれば勉強するようになるかについてお伝えしました。
話をまとめると、お子さんが勉強するようになるには、勉強の好き嫌いではなく勉強に対するモチベーションを高める必要があるということでした。
そして、そのモチベーションを高めて維持していくには、内発的動機づけをすることが大切で、その内発的動機づけをするために、勉強したくなる動機を外から沢山与えてあげましょう(外発的動機づけ)というお話をさせて頂きました。
普段意識をしてなかったけど、動機って奥が深いのねぇ。
そうですね。普段生活の生活で意識することはあまりありませんが、私達は動機によって行動を決めているんです。
でも・・・今思ったんだけど、正反対の動機がぶつかった時はどうなるのかしら?
例えば、勉強をしたいという動機と勉強をしたくない動機がぶつかった時は、動機が大きい方の行動をとります。
そのため、今回の動機づけは、お子さんが自分から勉強したいと思うようになるために『勉強をしたいと思うように動機づける方法』をお届けしました。
ですが、勉強したいという気持ちが変わらなくても『勉強しよう』とお子さんが思う方法がもう1つあるんです。
本当は、その内容にも触れたかったのですが、かなり長文になってしまいそうなので次回、紹介しようと思います。
たかさんは計画性が無いのね。
(グサッ)
先週もブログの更新をサボるし・・・困ったものよねぇ。
(グサッグサッ)
こ、今回も長文を読んで頂きありがとうございましたっ!!