部下の指導育成が上手くいかない人が見落している2つのポイントとは?
今回は部下の指導・育成に欠かせない大切なポイントをお届けします。
この記事をご覧になった方は、部下の社員がなかなか育たない、後輩の育て方が分からない、そんな悩みをお持ちの方が多いのではないかと思います。
分かるわぁ。仕事のできない部下をもつと色々大変なのよねぇ。
あれ?ゆうさんは、会社づとめの経験あるんでしたっけ?
ああ、実は昨日見てたドラマの話なんだけど、イケメン上司の部下が仕事ができない奴でさ・・・
(・・・ドラマの話なんだ。)
部下の社員が仕事ができないと、自分が部下の仕事をしなくてはならなくなったり、部下の失敗を自分が尻拭いすることになったりすることが多くなります。
最初の頃は、まだ経験不足だから仕方ないと思うところはありますが、このような状態が続くと、自分は仕事が増えてしまうのでストレスがたまり、部下の社員も自分の力で仕事を完結する力が育たないという、悪循環が生まれてしまいます。
つまり、『あいつは仕事ができないから』というレッテルを貼るだけでは済まない実害があるということです。
部下の指導・育成は、それだけ大切だということです。
なるほどね。でもさ、どうやって部下の社員を育てたらいいの?
問題はそこですよね。
部下を育てたいと思っても、育て方を知らなければ部下は育ちません。
でも、安心してください。
今回の記事で、成功する部下社員の育成方法をお伝えするからです。
ちなみに、今回の記事の内容を実践すると、部下の社員がこんなふうに変わります。
- 部下の社員がイキイキと仕事をするようになる。
- 部下の社員が自分から仕事に関する提案をするようになる。
- 部下社員が仕事をやめたいと思わなくなる。
え〜っ!本当にそんなふうになるの?
夢みたいな話ですよね。
信じられないと思うかもしれませんが、実際に私が職場で実践して効果を実感しています。
私の職場では、『今の仕事が忙しいから』とか『どこから手をつけていいのか分からない』という理由で敬遠されていた仕事を、部下の社員が自ら『ここからなら始められる』と提案してくれるようになりました。
職場の雰囲気も明るくなりましたし、部下が積極的に仕事を進めてくれるので部下の管理も必要がなくなった私は、気持ちがだいぶ楽になりました。
部下社員の指導・育成がうまく行かない、どうして良いか分からない方には、一度目を通していただきたい、そんな今回の記事でお伝えする内容はこんな感じです。
ポイントは2つあるのね。
そうですね。早速中身を見ていきましょう。
1時間目:部下育成のポイント1『非難・否定をしてはいけない』
ポイントの1つめは、非難・否定をしてはいけないということです。
例えばこんなシチュエーションを想像してみてください。
あなたは、飲食店でホールスタッフを担当しています。ある日、お客さんからクレームの電話がかかってきました。内容をよく聞いてみると『お子様ランチのセットに付くおもちゃを貰っていない』という内容です。
そのお客さんが利用した時間を聞くと、あなたが一人でホールを担当していた時間に利用したことが分かりました。
そのお客さんは大変お怒りで『客にまともなサービスも提供できないのか。詐欺だ。』というようなことを繰り返し言ってきます。
さて、電話を受けているあなたのモチベーションは上がりますか?
そんなわけ無いじゃない!
そうですね。そして、それが答えです。
このお客さんが発した言葉は、人を非難したり否定したりするものです。
そして、非難や否定のメッセージを受けているあなたは、『やってしまった』『そんなに言わなくてもいいじゃない』『私ってダメなんだ』というようなマイナスの気持ちが大きくなっていきます。
つまり、モチベーションは下がるということです。
そして、そんなモチベーションが下がった状態で、仕事を続けるとどうなるでしょうか。
良い仕事なんてできませんし、気持ちが落ちて注意散漫になっているあなたは同じ失敗を繰り返してしまうかもしれません。
つまり、非難や否定のメッセージを相手に伝えると、仕事のモチベーションを下げてしまい仕事の質が悪くなるということが起こります。
だから、非難とか否定はダメだってことなのね。
そうですね。仕事の良し悪しはモチベーションに左右される面も大きいですからね。
ここまでの読んでくださった方の中には、『否定がダメなら、どうやって部下を叱ればいいのか?』と思った方もいるかもしれません。
ですが、ここで私が駄目だ言っている『非難』とか『否定』というのは、仕事の中身以外のことで相手を傷つける行為のことです。
部下社員の仕事で間違っているところがあれば、その間違いを指摘することは上司としても会社としても必要です。
ですが、仕事の間違いだけでなく『だからお前はダメなんだ』とか『物覚えが悪い』とか仕事の中身と直接関係のないことで非難や否定はしてはいけません。
部下社員の仕事のモチベーションを必要以上に下げることになりますし、パワーハラスメントにもなってしまうこともあるからです。
そうなってしまっては、部下だけでなくあなたにも会社にもデメリットしかありません。
叱るときは、あくまでも『仕事の中身』の範囲の中でで叱ることが大切です。
叱るときは感情的にならないように意識すると良いですよ。
これが、『非難・否定をしてはいけない』というお話です。
2時間目:部下育成のポイント2『部下を認める』
続いて、部下を認めるというお話です。
先ほどと同じように、シチュエーションで考えてみましょう。
あなたは飲食店でホールスタッフをしています。ある時、2歳くらいの男の子を連れた家族が来店しました。
あなたはその家族を店の真ん中あたりにある席に案内しましたが、しばらくすると男の子がギャーギャー騒ぐ声が聞こえてきました。
男の子の親も、男の子の気を紛らわそうと家から持ってきた車のおもちゃをだしてみたりしましたが、一向に静になる様子はありません。周りのお客さんも迷惑そうにしています。
そんな時、窓際の席でお帰りになるお客さんがいました。あなたは窓際の席に残された食器を急いで片付け、男の子の家族に『よろしければ窓際の席に移動しませんか?』と声を掛けました。
窓際の席は、道路を走る車が見られるので『車のおもちゃをもっている男の子なら、喜ぶかもしれない』と思ったからです。
そして、その作戦は見事にハマり、男の子は外の走る車を見てご満悦の様子。男の子の親からも『ありがとう』と感謝されました。
そして、その家族が帰ったあと、お店の店長から『いい仕事したね!ああいう接客が出来るなんて素晴らしいよ』と声を掛けられました。
さて、あなたのモチベーションはどうなりますか?
上がるわ!嬉しいって思うもの!
そうですよね。褒められるって嬉しいですよね。
褒めるというのは、相手を肯定する、認めるという行為です。
自分のしたことを認められて嬉しくならない人はいませんし、認められれば『私はできる』『上司に認められて嬉しい』というプラスの感情が湧いてきます。
さて、このモチベーションの上がった状態のまま仕事を続けたらどうなるでしょう?
声が出る、笑顔が弾ける、丁寧に接客ができるなど、ひょっとしたらいつもより良い接客ができるかもしれません。
先ほどの『非難・否定をしてはいけない』のところでもお話しましたが、モチベーションが仕事に与える影響は非常に大きいです。
言い換えれば、部下社員と接するとき、意図的に部下社員を認めるかかわりをすれば、生産性は確実に上がるということになります。
部下社員を認める言葉『ナラのシカ』
部下を認める方法には、褒める以外に『ナラのシカ』という方法があります。
奈良の鹿?それが何で部下を認めることになるのよ?
奈良の鹿は関係ありません。単なる語呂合わせです。
『ナラのシカ』とは、相手にお願いするときに効果的な言葉のことで、『ナラ』と『シカ』を合わせた造語です。
具体的には、『あなたならできる』 『あなたにしかできない』というように使います。
この『ナラのシカ』を使うだけで、単に『お願い』と伝えるよりも、相手が頼みを聞いてくれる確率は上がります。
お願いした相手に『自分は認められている』『自分は特別扱いされている』という気持ちをもたせることができるからです。
部下に仕事を頼むときは『ナラのシカ』を意識して使ってみましょう。
前から思ってたけど、こんな良い記事は、たかさんにしか書けないわ!
そう言われると、照れますね。
(単純・・・)
この頼み方をすると、相手の方が照れてしまうこともあるくらい明らかにいい反応が返ってきます。
そして、特別扱いをされているように感じた部下社員は、より良い仕事をしようという気持ちが強くなり、結果としていつもより質の良い仕事をしてくれるようになります。
3時間目:認められた社員は自分で成長する
ここまで部下社員の育成について、『非難・否定はしてはいけない』『認める』という方法をお届けしてきました。
これらの方法を意識して続けていくことで、いつしか部下は力をつけ自力で成長していくようになります。
その理由は、マズローの欲求階層理論で説明することが出来ます。
過去記事でも紹介しましたが、マズローの欲求階層理論は、人間の欲求は5段階のピラミッドのように構成されており、下位の段階の欲求がある程度満たされると上の階の欲求を満たしたくなる欲求が出てくるという理論です。
下の図を見てください。
ピラミッドの上から2番目に『尊敬(承認)の欲求』と書かれていることが分かると思います。
尊敬(承認)の欲求とは、『認めてもらいたい』という欲求のことになりますので、先ほどから説明している『部下を認める』ことによって満たすことができます。
そして『認める』ことにより尊敬(承認)の欲求が満たされると、尊敬(承認)欲求の上の階、すなわち『自己実現欲求』を満たしたいという気持ちが出てくることになります。
自己実現の欲求とは、自分の可能性と能力を伸ばしたいという『自己成長』の欲求です。
自分から『成長したい!』って思うのね。
そうですね。自分から成長しようって思う人は、能力が・・・
上がるわよね!
・・・。
職場で部下が『成長したい』という欲求を持つようになると、自己啓発活動を積極的にするようになります。
自己啓発活動の方法は、読書であったり、セミナーを受けに行ったりと個人によって様々ですが、自発的にこういった行動をとるようになると自然と教養が高まり、視野も広がります。
しかも、『やらされている感のある研修』とは違って、自発的に能力を上げようとして活動しているため、その効果は絶大です。
そして、その絶大な効果は、そのまま部下の成長に繋がります。
これが、認められた部下は自分で成長するようになる理由です。
まとめ
今回は、部下の指導・育成が上手く行かない人が見落としているポイントについてお話させて頂きました。
最後にまとめていきます。
まず、部下育成に欠かせないポイントが2つあることをお届けしました。
具体的には、『非難・否定をしてはいけない』ということと『部下を認める』ということです。
部下を認める方法には、『褒める』という方法の他に、『ナラのシカ』という方法があり、『ナラのシカ』を使うと、『自分は特別である』という感情を相手に抱かせることができるため、部下のやる気を引き出すにはとても有効だというお話をお伝えしました。
そして、自分を認められたと感じた部下は自己啓発活動をするようになり、自分で力をつけるようになるというお話でした。
今日のお話は以上となります。
今日のお話はいかがでしたか?
普段から部下を怒ってばかりいた、あの上司はダメダメ上司だったってことね。
(あ、ドラマの話か・・・。)
おまけ:今日のたかさん